シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

TOKYOディープ!

先日、TOKYOディープ!スペシャル 「潜入!オトナの街」(BSプレミアム)という番組を見ました。
まあ、田舎者ですので幾つになっても都会に対するあこがれというのはありまして興味深く拝見しました。
 

TOKYOディープ!スペシャル「潜入!オトナの街」
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3414/2351938/index.html
 

番組で取り上げられた中で、とりわけ注目したのが「遊郭」についてのあるエピソードでした。1945年の東京大空襲の直後ですが、吉原遊郭を“速やかに”再開させた方に感状が出た、という話です。

その方、鳶頭の荒井福之助氏は「大東亜戦争本土爆撃下にありて当局命令 吉原遊郭は即時営業を開始すべし(略)」に従い、遊郭を再開させました。掘っ建て状態で隣室との間も不完全であったような話を義理の娘、弘子さんが語っています。弘子さん自身も、その行為と感状に違和感を隠せない旨を正直に語りますが、同時にその目的が出征兵士の親御が「女性を知らぬままで兵隊に取られるのは可哀想だ」との思いから感謝を伝えてきた、と複雑な思いを明かします。
政府(および旧軍)は米軍による本土戦略爆撃に際しても一般住民を極力居住地から離れないよう努めました。結果として夥しい被害者が出たわけですが、その惨禍においても「遊郭」で「兵士」を「慰安」させることは最優先事項であった、ことが伺えるのです。そこでは遊郭の娼婦の人権はまったく無視されています。もちろん、それを求めた兵士(やその家族)達だって配慮されたわけではありません。そこにあるのは、兵士に未練無く死地に赴かせる、という非道な考えのみです。
さて、内地の吉原(遊郭)とその娼婦たち、そして兵士たちでさえ、政府(および旧軍)による管理と介入を受けていました。そして、その扱いは人権というものをまるっきり欠いたものであったのです。このことはつまり、国外戦場の「慰安所」も非人道的な形で管理されていた、ことの傍証となるでしょう。そして、どう考えても内地よりもマシな待遇が「慰安婦」達にあったとも思えません。クソウヨどもが言うような戯言は、国内の事情を見ても説得力に乏しいことが明らかです。
そういう点からもなかなか見ごたえのある番組でございました。
 
 
なお、番組では「新宿二丁目」も取り上げておりまして、LGBTのムーブメントの現場となった経緯が語られていました*1新宿二丁目は彼らが自分らしくいられる場所、である、との言葉に、
であれば、日本中が新宿二丁目のようにしないといけないな、と思ったのでした。
では。

*1:新宿二丁目界隈はかつて赤線であり、赤線廃止後は“評判の良くない”場所に非差別者であるLGBTが入居した、とのこと

三原じゅん子議員、野党を論破する

こんな話題がありました。当人や動画はあまりにゲスかったので、やや程度の下がるゲス記事にリンクを貼ります。

 

「野党のみなさん、恥を知りなさい!」 三原じゅん子氏“ド迫力演説”の波紋 ネット上では賛否両論
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190625/pol1906250006-n1.html

 

で、こんな意見を目にしました。

 

公明党佐々木さやか氏の法務大臣金田勝年への問責決議案に対しての反対討論もひどかった。三原氏と同じで切り口上。失礼かもしれないがナチスの親衛隊のようだった。どうしてこういう場面に女性議員をもってくるのだろうか。

 

これを読んで思い出したのが、「女子高生が〇〇なパヨクを論破する!」的な話です。

 

女子高生『父が自衛官で・・』左翼教師 発狂するも クラスメイトが戦闘モードに!!
https://www.youtube.com/watch?v=zGtjmlharDU

 

女子高生と論破、もしくは女子高生とパヨクの組み合わせでググると、結構この手の奴が出てきますね。以前から、女子高生がパヨクを論破したがるのか不思議でしたが、クソウヨ共にとっては、(自らが侮る)女子高生にパヨクが論破された。ザマーwwww。ってことなんでしょう。

この、三原議員を“鉄砲玉”に使った援護射撃(むしろ、後ろ弾の感じもしますが)も同じ感覚なのかもしれません。

自らが軽んじる女性議員に指弾される野党ども、という絵にご満悦の与党(と支持者)には性差別の根深さを感じずにはおれません。

では。


 

ちっとはキチンと読んでからコメントしてはどうか

先日、コンパクトシティを調べもしないで雑なコメントしている輩を見ましたが、こうした連中にはウンザリします。

『資本主義と闘った男』我々がまだ知らない本当の宇沢弘文とは - HONZ
https://honz.jp/articles/-/45244

mangakoji ただしく社会主義と呼べばよいのでは。リベラルじゃなくてレフト あとで読む

https://b.hatena.ne.jp/mangakoji/20190616#bookmark-4670223608425113090
 

1990年8月、ローマ法王ヨハネ・パウロ二世から一通のお手紙をいただいた。1991年が、有名な回勅『レーノム・ノヴァルム*1シートン注:原文ママ)』が出されて百周年に当たるので、『新しいレーノム・ノヴァルム』を出すことになった。その作成を手伝ってほしいというお手紙だった。
1891年5月、法王レオ十三世が出された回勅『レーノム・ノヴァルム』は、ローマ教会の重要な歴史的文書である。レオ十三世は『レーノム・ノヴァルム』の中で、当時の状況を「資本主義の弊害と社会主義の幻想」という印象的な言葉で表現された。
ヨハネ・パウロ二世からのお手紙に対して私は躊躇(ちゅうちょ)することなく社会主義の弊害と資本主義の幻想」こそ『新しいレーノム・ノヴァルム』の主題にふさわしいというお返事をさし上げた。
ヨハネ・パウロ二世はもともとアメリカが広島と長崎に原子爆弾を落としたのは、人類が犯した最大の罪であるときびしく非難されていた。ローマ法王になられてすぐ、広島、長崎へ行かれたし、小石川の後楽園で盛大な野外ミサを司式された。そのとき流暢(りゅうちょう)な日本語で言われた。「平和は人類にとっていちばん大切な共通の財産である。とくに日本の平和憲法は、全世界にとって共通の財産である。社会的共通資本という言葉こそ使われなかったけれども、それを守ることの意味を強く強調された。ヨハネ・パウロ二世のお手伝いをしたのは、私の人生でもっとも厳粛な、感動的なときであった。
『私の収穫』ヨハネ・パウロ二世 宇沢弘文 5 朝日新聞 2010年5月20日夕刊より

宇沢先生の「社会主義の弊害と資本主義の幻想」も知らないで、こういうコメントできるクソがいるのはスゲー。

Gka 市場原理主義の雄アメリカと市場経済を取り入れた中国が最も発展した現状ではフリードマンは正しかったとしか…共産主義を目指した国はすべて貧しくなり結果は自明でしょ。

https://b.hatena.ne.jp/Gka/20190616#bookmark-4670223608425113090
 

ダボス会議の「偽善」を指摘したオランダ人歴史学者に注目
https://courrier.jp/news/archives/151508/

2日前、ここに億万長者がいましたよね。彼の名前、なんでしたっけ? マイケル・デル。
で、彼は、最高限界税率70%で実際にうまくいった国をひとつでも挙げてみろみたいなことを言いましたよね。
ご存知のように僕は歴史学者ですけど、米国ですよ、実際にそれがうまくいったところは。1950年代、共和党の大統領、退役軍人のアイゼンハワーの時代ですよ。当時、マイケル・デルみたいな人々に対する最高限界税率は91%でした。彼みたいな人々に対する最高相続税は70%以上だったわけです。
つまり、全然むずかしい話じゃないんですよ。

 

中国は社会主義国家か?資本主義国家か?歴史と政策から見る中国社会
https://world-note.com/socialism-in-china/

何をどう学んできたら、フリードマンが正しかった、なんて言えるのかゲンナリしてしまう。
とりあえず、フリードマンが称賛したのが、(ピノチェト時代の)チリ、(サッチャー時代の)イギリス、(レーガン時代の)アメリカだったのだが。
 
本当に皆ちっとは真面目にやろうぜ。
では。
 

 

社会的共通資本 (岩波新書)

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人間の経済 (新潮新書)

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*1:正確にはレールム・ノヴァルム(Rerum Novarum)御指摘頂いたmusさんに感謝いたします

福祉を充実させれば?

https://twitter.com/usaminoriya/status/1128648684885778432
宇佐美典也
このバッシングの中じゃ再就職も困難で食えなくなるからだよ。いい歳になってそんなこともわかんないのかな。
終身雇用で守られたマスコミ組織で厚待遇で生きてきてポーズでリベラルやって来た人のそこの浅さが分かるツイート。

 バカがくだらないことをほざいています。

議員失職したら“再就職も困難で食えなくなるから”庇い立てする、とはしょうもないです。

しかし、社会福祉制度の解体に努め、労働規制の骨抜きに努めてきた輩が、“終身雇用で守られたマスコミ組織で厚待遇で生きて”こないと、失職しても“食えなくなる”と思っている、ということは、コイツは市井の人々を殺す気まんまんだった、ということです。本音を漏らしてくれて、ありがとうございます、とでもいっておくべきでしょうか?

 

まあ、福祉制度を充実させれば、クソのような議員を辞職させても食うことができます。その方がいいんじゃないですかね。

では。

 

お酒の失敗じゃない。あなたの失敗です。

北方領土「戦争で取り戻すの賛成か」議員発言に波紋

北方四島国後島へのビザなし交流の訪問団に参加していた日本維新の会丸山穂高衆議院議員が「戦争で島を取り返す」という趣旨の発言をしていたことが明らかになりました。

 ビザなし交流の訪問団に同行した記者が録音した丸山議員の音声です。

 日本維新の会丸山穂高議員:「戦争でこの島を取り戻すのは賛成ですか?反対ですか?」

 元島民・大塚小彌太さん:「戦争で?」

 日本維新の会丸山穂高議員:「ロシアが混乱している時に取り返すのはOKですか?」

 元島民・大塚小彌太さん:「戦争なんて言葉は使いたくないです。使いたくない」

 日本維新の会丸山穂高議員:「でも取り返せないですよね?」

 元島民・大塚小彌太さん:「いや、戦争はすべきではない」

 日本維新の会丸山穂高議員:「戦争しないとどうしようもなくないですか?」

 元島民・大塚小彌太さん:「いや、戦争は必要ないです」

 丸山議員とやり取りをした訪問団の団長で元島民の大塚さんは、抗議の声を上げています。

 元島民・大塚小彌太さん:「私は真っ向から反対致しました。そこについては、戦争で取るとか取らないとかそんなこと私は聞いたこともありませんしね」

 丸山議員はこの発言の前に酒を飲んでいたということです。元島民らはこの発言に抗議しましたが、丸山議員は酒に酔って騒いだことについては謝罪したものの、戦争発言については「賛成か反対かを聞いただけ」としています。

http://news.livedoor.com/article/detail/16452383/

 

酔ったせいにされるのは迷惑ですね。吐いたゲロの始末はちゃんと付けてもらいましょう。

 

鉄道事業者共同でPR「暴力行為防止ポスター『お酒の失敗じゃない。あなたの失敗です。』」12月10日(月曜日)から各事業者の駅構内、列車内に掲出します!

https://www.westjr.co.jp/press/article/2018/11/page_13478.html

f:id:Dr-Seton:20190514211404j:plain

それにしても、松下政経塾とか、維新の会とか、マシな奴が一人もいない(いたら教えてください、マジで)、てのは凄いな。

テンノーショー

こんな呟きを見ました(瀬川深さん経由)。

 

https://twitter.com/fcbliebe1900/status/1123169079357894656

退位する天皇陛下で好きな話は、学生時代に銀座で遊びたくて、お付きの目を巻き、友人と銀座でアップルパイと紅茶を楽しむも、実は友人が事前に侍従と相談してて、銀座の通行人は私服警官だらけ、帰ったら侍従にマジ怒られた話がローマの休日みたいで好き。退位後は皇后様とゆっくり銀ブラして欲しい。

 

これ、いい話風に語られてますが、自分だったら、この友人とやらをぶちのめして絶交ですね。微行(おしのび)といえば、黄門様やら暴れん坊将軍やら唐の玄宗など多々ありますが、自分が自分の意志で行動する=自由を謳歌している、と思ったものが、他人のお情けによる演出だったら、ふざけた話だと思うでしょう。

私はローマの休日みたいとは思いませんでした。思い出したのはジム・キャリーが主人公を演じた「トゥルーマン・ショー」です。詳しい内容は作品を見るかググってみてください。

 

トゥルーマン・ショー (字幕版)
 

 

大雑把に言ってしまえば、自分自身の人生と思っていたものが、自らは知らないまま他人が“演出”したものだとしたら、そして、その事実に気づいたらどうするか、という話です。

私は、ラストでの主人公の行動に共感します。自分でもそうするでしょう。

上記のエピソードを“いい話”と捉えるような人間ではいたくないですね。

では。

コンパクトシティに関する誤解

こんな呟きを見かけました。
 

タクラミックス
@takuramix
「老人を都会に集めれば良い」
限界集落は廃村にしてコンパクトシティ構想で…」
「人手不足なら外国人を受け入れれば…」
といった話に共通して感じるのが、
「人間を簡単に移動交換出来ると思ったら大間違いだよ(-_-;)」
って事です。
人間には意志や感情という「物」には無い面倒なもんがあるんで
16:05 - 2019年4月20日

https://twitter.com/takuramix/status/1119738941601509378
 
 
「老人を都会に集めれば良い」「限界集落は廃村にしてコンパクトシティ構想で…」とかいうけど人間を簡単に移動交換出来ると思ったら大間違い
https://togetter.com/li/1340356

なんで、この手のデマが蔓延るのかサッパリ判りません。

■藻谷浩介×清水義次 地域再生の成功学(5) ■「地方消滅」の大誤解

さらには何をトチ狂ったか、「農山村を潰して、日本全体をコンパクトシティ化していかないと、国際競争に生き残れない」などと言いだす輩まで現れて……。
清水 何ですか、それは(笑)。もう完全に認識が誤っていますね。そもそもコンパクトシティの意味がわかっていないんじゃないかな。
藻谷 そうなんです。1986年、日本で最初にコンパクトシティを提唱した佐々木誠造・前青森市長も、カンカンに怒っていました。「俺が言ったのは、中途半端な郊外地域の拡大を抑えて、農村と都心を活かそうという話なのに、なんで農村を潰すなんて方向が出てくるんだ!」って。
 コンパクトシティというのは、せいぜい500メートル四方の範囲の中にいろいろな都市機能が集積した、賑わいのあるヒューマンスケールの都心を作ろうということですよね。農地も山林もなく、かと言ってお店も出しにくい、個業の営めない都市近郊のスプロール化を止めようという問題意識です。農山村にもそれぞれコンパクトな中心集落はあっていいと思いますが、農村からの撤退などという話とは無関係です。
(デイリー新潮 2016年7月1日掲載)(強調はシートン)

 

私も過去、こんなエントリーを上げています。
 

いい加減、キチンと何が主張されているのか調べてから呟いてはどうでしょうか。
では。
 

 

ドイツのコンパクトシティはなぜ成功するのか: 近距離移動が地方都市を活性化する
 

 

 

ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる

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老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書)
 

 

 

縮小都市の挑戦 (岩波新書)

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