シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

どのような技術を選択すべきか。

 
批判めいた文ばかりだとつまらないので注目技術を。
持続可能な社会を造る技術はハイテク(高度技術)ではなく「適正技術」だと考えている。
「適正技術」とは、競合する技術よりもLCA(Life Cycle Assessment)等の環境指標で見た場合に優れたもの、と位置づけられるだろう。かならずしも、高度な技術体系が必要な訳ではない。

発光効率100lm/Wの白色LED日亜化学が2006年6月にサンプル出荷開始
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/news/424348
日亜化学工業は、発光効率が100lm/Wの白色発光ダイオード(LED)を開発し、2006年6月からサンプル出荷を始める。同年12月には量産に移行する予定。発光効率100lm/Wという性能は、蛍光灯の普及価格帯品よりも高く、発光効率が高い品種と肩を並べる。」

LEDは消費電力が少ないのがウリなのだが、実は発効効率では蛍光灯に比べて低かった。白熱灯と比較すれば効率は高いのだが、蛍光灯の代替にはなり得なかった。しかし、ここしばらくの開発で蛍光灯と競合可能なものが登場してきた。今後、蛍光灯を上回る効率のものが現れれば、照明の一大変化をもたらすだろう。

発光効率の理論的限界は683lm/W(555nm)。LEDの発光効率を決定するのは輻射の量子効率と素子からの取り出し効率。GaNは直接遷移型半導体だから理想的には量子効率100%もあり得るが、実際には困難だろう。取り出し効率は素子と外界の屈折率差で決定する。素子をカバーする高屈折材料や表面加工などで連続的屈折率変化を実現して、発光効率は150〜200lm/Wほどが製品の限界では無いかと予想する。

現在、エネルギー消費に占める照明の割合はさほど多くは無い。しかし、それでも照明によるエネルギー消費が半分になる、とすれば省エネに大きく貢献する。文句なく「適正技術」と呼べるだろう。
 
若干下火になったが、燃料電池車の研究が大きくクローズアップされてきた。だが、燃料電池は解決すべき問題が多く、「適正技術」とは呼べない状態だ。
おそらく繋ぎの技術とはなるだろうが、
ディーゼル(コモンレール型)
・ハイブリッド技術
が自動車においては注目すべき技術である。なぜか日本ではコモンレール型ディーゼルは注目されてこなかった。たまにカーグラフィックなどでは取り上げられていたが。

安全安心を守る消費スタイル 船瀬俊介
第19回
新世代ディーゼルが大気汚染を救う
〜ガソリン・エンジンを超える高燃費・低公害を実現〜
http://nikkeibp.jp/sj2005/column/d/19/

船瀬氏はことさらに大げさに紹介するきらいがあるが、ディーゼルの熱効率がガソリンエンジンにまさる事は確かであり、ヨーロッパではディーゼルが主流になりつつある。
このディーゼルと日本のお家芸になりつつあるハイブリッドが一体となったらどうか。

Volvoグループ、燃費が35%向上するハイブリッドトラックを発表
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060314/114834/
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ジュネーブショー速報】PSAグループ,ディーゼル・エンジンと組み合わせたハイブリッド車を披露
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/EVENT/20060302/113909/?ST=AT
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ディーゼルは定速回転が適しており加減速はロスとなる。この部分をハイブリッドによってサポートすれば、より効果的に低燃費化が図れるだろう。
別項で書くつもりだが、ハイブリッド・ディーゼル搭載の公共交通機関を利用すれば、LRT(Light Rail Transit)の低コスト化に繋がる。
もちろん、あちこちで行われているバイオディーゼルとしても良し。
日本でもハイブリッドディーゼルの研究が進むと良いのだが。