シートン俗物記

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佐鳴湖 5年連続水質ワースト 17年度全国調査「透明度は改善」
環境省は二十一日、全国の湖沼を対象に行った平成十七年度のCOD(化学的酸素要求量)でみた水質測定結果を発表し、浜松市佐鳴湖の水質が五年連続でワースト(最悪)となった。
佐鳴湖の十七年度の年間COD平均値は一リットル当たり十一mgで、十六年度と同じだった。
(略)
来年度は県が湖北岸に浄化実験施設を新設し、市は有用微生物培養セットを周辺河川流域家庭に配り、側溝に流してもらうなど新しい取り組みを行う。市は浄化研究機関、独立行政法人「土木研究所」(つくば市)による既存対策の新たな検証も検討している。(略)
静岡新聞 2006 12/21)


佐鳴湖の水質悪化は、家庭排水などが問題だと云われている。これは多分間違いでは無いだろうが、周辺の土地がコンクリートアスファルトで固められた事も大きく関係しているだろう。土壌はそれ自体が強力な浄化作用を持つ。土壌に含まれる菌類や微生物は富養化の基になる有機物を分解、無機化する。植物は無機成分を根から吸収する。この浄化能力は屎尿処理に利用できるほどで、「浸透トレンチ式」と呼ばれる方法を利用したトイレが存在している。


つまり、周辺が都市化されていない湖沼は水辺だけではなく、流れ込む周囲で既に浄化されているのだ。さらに、コンクリートアスファルトでむき出しの地面を無くした場合、降った雨水が急速に流れ込む。降らない時にはまったく流れ込まない。このような状況は水質が悪化しやすい。地面に降った場合は、土に染み込み降雨時に流れ込む量を減らす。流入量の調節(緩衝)機能を持つのだ。以前、陸と水の境界、水辺が重要、と述べたことがあったが、水(湖沼)はそれだけで成り立っているわけではなく、流れ込む周囲の土や河川や生物、気象までが密接に関連している。湖だけ見れば浄化できるわけではない。もし、佐鳴湖の水質浄化を行うなら、周囲の浄化環境を整える事も有効だと思う。


しかし、
“市は有用微生物培養セットを周辺河川流域家庭に配り、側溝に流してもらうなど新しい取り組みを行う。”
って、もしかしてEM(有用微生物群)の事か?そうだとしたら、トンデモになってしまうなぁ。
EMについては、「カルト資本主義」が詳しい。

カルト資本主義 (文春文庫)

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追記:写真は掛川の加茂菖蒲園 いいところですよ。