シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

物理学者は福山雅治の夢を見るか?

少し、余裕が出来たので気になる話を取り上げます。
昨日フジの月9ドラマ、「ガリレオ」を見た。たぶん、この秋一番の注目株で、東野圭吾原作「探偵ガリレオ」「予知夢」のドラマ化。

で、あちこちのドラマ紹介に目が点になる。

湯川学(福山雅治
帝都大理工学部物理学科の准教授。別名・変人ガリレオ
容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能。ぱっと見、完璧で、非の打ち所のない男。なのに、実はものすごく変人。刑事の草薙俊平とは大学の同期で、オカルトめいた現象を含む事件について、たびたび草薙の相談に乗っては、事件解決の鍵を与えている。が、本人は犯人や捜査に興味があるわけでは全くなく、事件として起きた現象そのものを解明し、証明することに意欲を燃やしているだけだったりする。
(フジテレビ 公式HPより引用)

http://www.fujitv.co.jp/galileo/chart/index.html


福山雅治が天才物理学者ぁ〜?別に福山雅治が悪いとかどうとか、と言う訳じゃない。
なんか、ドラマ制作者に物理学(者)に対して拭い難い偏見がある気がする。なぜ「容姿端麗」「頭脳明晰」「スポーツ万能」、で「変人」だったりするのだろう。

原作の「探偵ガリレオ」では、湯川学は取り立て特徴のあるキャラクターとしては描かれていない。単に物理学者であり、その方面からのアプローチが事件解決の決め手になる、という位置づけ。
確かにドラマとするなら、「キャラ立ち」していた方がいいというのはわからんでもない。でも、「容姿端麗」「頭脳明晰」「スポーツ万能」の部分は、「変人(としての物理学者)」の中和剤的感じに見える。
平たく言えば、「これで福山雅治が演じていなかったら、ヘンなヤツだよね。(家族の言葉)」ということ。
物理学者ってのは、そういう目で見られているんだろうか。
昔から、学者(=博士)というのは、奇人変人の扱いだった。

・白衣を常時着て、髪の毛もメチャクチャ、身だしなみに注意を払わず、人付き合いもニガテ。
・妙な色合いの液体の入って煙の沸いたフラスコやビーカーに、別種の液体を注いで爆発させてしまう。
・なぜか同性愛の域にまで達した助手を擁し、「〜なんじゃよ。」とか語尾に付けて喋る。
・論理的でない事、芸術や人間の心理には興味を示さず、それらを小馬鹿にしている。
・運動神経は大概鈍く、危機に晒されると異様に狼狽えてしまう。

上記のようなステロタイプ。「探偵ガリレオ」では、原作者の経歴ゆえか、そこまでキャラ立ちしていない。でも、わざわざドラマ化で、ステロタイプに沿ったキャラに設定されてしまった。そのままじゃ親しみが持てないから、「容姿端麗」「頭脳明晰」「スポーツ万能」で「福山雅治」というわけか。

少なくとも自分の周りで物理学者というのが、ステロタイプに当てはまるような人であった試しはない。
だいたいどんな職業でもそうなんだろうが、大概の物理学者は単に物理が好き、物理が得意、という程度に過ぎない。微かには、(平均化された一般人)からはずれているんだろうが、一目見て「コイツは物理学者だ!」というような程にキャラ立ちしたヤツなどいやしない。
それは、「太陽にほえろ」の刑事達が、現実にいないのと同じ事。刑事物では、リアリティーとしての「踊る大捜査線*1」が登場したように、学者も等身大に捉えてドラマにする事は出来なかったのかな。

ま、少なくとも自分に関する限り、最大の興味は「美味いメシ美味い酒イイ女」。スポーツも好きだし、出歩くのも大好きだ。人付き合いはニガテじゃない。自分が異端なのか、そんなものなのか。
いずれにせよ、複雑な気がする秋のドラマであった。

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*1:これも、ある種デフォルメされている