新 自滅する捕鯨
選手権見たりで詰まっていた週末。気が付いたらコメントをだいぶ溜め込んでいた。
さて、
Chieさん。コメントありがとうございます。
漂着クジラを食べるのは危険ではないでしょうか。どんな毒物や病原体に汚染されているかわからないのですから。
「漂着クジラ」と言うと何となく聞こえがいいですが、要するに「死因のはっきりしない野生動物の死骸」です。
どうしても食べたい人は自己責任でお好きなようにですが、少なくとも市場に流通させるのはまずいでしょうね。
おっしゃる事はわかります。ただ、全部の漂着鯨が死んだ形で漂着するわけではなく、生きているものも結構あります。リロケーション機能をやられたり、パニックになって岸へぶち上がった可能性があるようで、沖へ戻せても助かる可能性は少ないそうです。こうした鯨を頂くなら、もちろん加熱処理は必需でしょうが、それなりに頂けると思うのですよ。これは、あくまで個人的意見ですけど。流通経路に載せるのは確かに無理そうですけどね。
名無しさん
こういうやっつけなHNには回答しない事にしているんですが、一応。
南氷洋まで向かうのは商業捕鯨再開をにらんでのことです。捕獲は耳垢から年齢、胃袋の内容物から食べている魚の種類、量などを調べるなど、さまざまな調査を行います。
まさにこれこそが他国の不信の基なのです。現在、野生動物調査(水棲動物を含む)で、捕殺しなければ調査が出来ないなんて事はありません。どうみても調査捕鯨というのは“調査に名を借りた捕殺”にしか見えないのは仕方ないことです。
IWC科学委員会で商業捕鯨再開が認められたのにそれを容認しようとしないIWC加盟の反捕鯨国の態度に腹を立てて委員長が辞任するということもあったのですが。
これ、Philip Hammond 氏の事ですね。捕鯨関係者、しきりに宣伝してますよね。
もともとRMS自体、妥協の産物でもあります。
つまり、
公海上の資源は誰の物でも無いのであって、その捕獲量に線を引くとしたら「科学的根拠において」が絶対条件だと考えます。
という考えに基づいて。
ですが、そもそも公海の水産資源が誰のものでも無い、というのは、同時に“誰のものでもある”事をも意味します。みんなのもの、であれば、「影響がないから取っていい」というレベルに留まらず、全体のコンセンサス、が必要になるわけですよ。そのいみで、RMSに従うことは必要条件ではあっても、充分ではなかった、ということなのです。
伝統的沿岸捕鯨に絞って再開すればいい。
IWC加盟国は例え領海であっても捕鯨は禁止されているんですよ(小型のイルカ類は除く)
絶滅が危惧されているホッキョククジラの捕獲をイヌイットの文化だとして認めているのに、日本の沿岸捕鯨を認めないのはダブルスタンダードだ、として否決したことがあります。
知ってます。だから、私が書いたのは、南氷洋における商業捕鯨は中止、ないしは凍結。それとバーターで、「先住民捕鯨枠」を認めてもらう、ということ。
もちろん、それには捕鯨砲やキャッチボート利用は不可だし、区域も限られることになる。伝統的捕鯨を行ってきた地域の文化として、に限定する事が必要でしょう。
その意味で、先住民捕鯨に否決を出すなんて嫌がらせは最悪なんですよ。
当たった船側を考えれば、ぶつかったのは捕鯨船の方です。
はい。まずは次の動画を。
Whalers ram Greenpeace ship
http://oceans.greenpeace.org/en/the-expedition/news/whalers-ram-ship-111
グリーンピースのクルーの乗った船Arctic Sunriseの“左舷”からぶつかるのが確認できますね。
ぶつかってきたのは日進丸で、日進丸の“右舷”からです。
で、船舶の航行に関する国際ルールでは、“右側”通行で、追い抜きも“右側”からなんです。
参考:日本沿岸航路に関する海難防止について[PDF]
http://www.iatss.or.jp/review/28-2/pdf/28-2-09.pdf
ここに
(4)横切り船
お互いに他の動力船の進路を横切る場合において衝突のおそれがあるときは、他の動力船を右舷側に見る動力船は、他の動力船の進路を避けなければならない。すなわち右側通航の原則を踏まえている。
とあります。
つまり、あきらかに日進丸は国際ルールを無視して、Arctic Sunriseの進路を妨害したのですよ。
ちなみに、グリーンピースを「テロ組織」扱いしているところやシー・シェパードと同一視しているところも多いですよね。(グリーンピース + 捕鯨)でググってみると、現れるサイト、とりわけブログなどは覗いてみると明らかなネトウヨが多くて辟易します。
参考: 【プロ市民】【テロリスト】グリーンピースと日本の調査捕鯨船が衝突 非難応酬 (清谷防衛経済研究所)
http://kiyotani.at.webry.info/200601/article_16.html
マグロやウナギを食べないと死ぬというわけではありませんが環境保護団体が目をつけて絶滅すると騒ぎ立てたら捕鯨の二の舞になる可能性があります。
ウナギについては、後日書くつもりですけど、「完全養殖が成功しなければいいが」と考えています。
それは何故でしょう?
id:gryphon さん。
大体そのへんは知っていますが、であるがゆえに、ビデオのような主張に反捕鯨派は「たじろぐ」のでは?差別反対をタテマエにでも重視する人にこそ「それは差別ですよ」という指摘が有効になる、というのは米国の公民権運動でもそうでしたし。
例えば、“アファーマティブアクション”は逆差別だ、という声もあるわけですが、大きな影響を与える事は無いのでは?それと同じで、“的外れな”主張は、相手の怒りを買っても、受け入れられる余地は薄いんじゃないでしょうかね。
問題は殺し方より、カンガルーの例があれば「野生動物でも数が十分なら捕殺可能だ」という論理を共有できるという点で再確認するのはいいことだと思います。実際の話として、誰もがやるかどおかは別としてあれは現地では合法らしいですし。
「カンガルー殺し」が合法なのは、カンガルーを害獣として見ている保守層の考えの反映なわけです。でも、野生動物全般に保護の意識が高まっていることも確かですよ。
私はよく、外来種が来た後の山や狼のいなくなった山を引き合いに出すのですが、(略)
おっしゃることはわかります。ただ、里山ならぬ“里海”として南氷洋を見なすのは無理があるでしょう。
他国が南氷洋をサンクチュアリとしようと考えている今、人間が積極的に関わって多様性を保つようなゾーンとして扱うのは難しいと思います。
自然保護の例としては、アメリカ、イエローストーン公園がいい例になると思います。彼の地では、山火事も原則放置です。自然の回復力にまかせ、人間が介入しない方針を立てています。
参考:イエローストーン・グレイシャー
http://www.tt.em-net.ne.jp/~taihaku/sightseeing/american_rocky/AmericanRocky.html
海で考えるなら、近海は人間が積極的に生物多様性と環境維持に努める。公海は国際間の合意による資源管理に努める。最も人間環境に遠い海(例えば南極海)は人間が介入しない。こうしたゾーニングが必要になると思います。そもそも、日本は近海の生物多様性・環境維持に熱心ですかね?私にはそう思えませんけど。
ナナフシさん。
鯨食べたい人のことはどうすんですかーって感じです。自分がよけりゃそれで良いって考えがにじみ出てます。
だから、私は鯨を食べるんですよ。読んでなかったの?で、不毛な話より、妥協点を見出す方がましで、それに見合う対価を払う意志はあるんです。
商業捕鯨はやめる。代わりに伝統的漁法に限った捕鯨を「先住民捕鯨」枠として認めてもらう。それでいいじゃないですか。
本当に不思議なんだが、なぜ、他の水産物には注意を払わないの。有明のタイラギ。吉野川や球磨川、長良川の鮎。各地のアマゴやヤマメ。三番瀬、羽田沖のアサリ。瀬戸内の魚類に牡蠣。そしてウナギ。
どれも開発がもとで急速に生息域が狭まり、漁獲量が減っているものばかりですよ。本当にクジラや海産資源に興味あるの?アンタらが興味あるのはクジラ自体とは違うんじゃないの?
【追記】
さて、最後に。natamaru氏。予告通りコメント削りました。コメント禁止措置もとってあるので、これからは自分のとこでやってね。