シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

規制緩和を進めろ!

昨今の不景気状態。私も付き合いのある方々を通じて、“今までにない”状況にある事を感じております。正直に告白して、一体どうなるのか想像もつきません。いや、歴史を紐解けば若干の類似状況には突き当たるのですが、俯瞰的に解説された歴史書とは異なり、「自分がどう振る舞ったらいいか?」はさっぱり判らないのですよ。
何を頼りにしていけばよいのか…。


小泉改革とやらの立役者、竹中平蔵氏は
「現在の苦境は改革が中途半端だったためだ」
とおっしゃっているそうですね。


小泉改革について(トレンドマイクロOKWave
http://virus.okwave.jp/qa4745705.html

最近、小泉改革批判の話題になると、竹中平蔵氏に非難の矛先が集中している感があります。
それに対して、竹中氏は、今の日本経済が抱えている格差などの問題は、小泉改革が中途半端だったからであり、改革が完遂できていれば、現状は良くなっていたと反論されています。


ちきりんの立ち位置について
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20081216

まず、ちきりんは「市場原理」=「マーケットメカニズム」を信奉している自由主義経済思想のサポーターです。小泉さんと竹中さんの政策を今でも正しかったと考えていますし、世の中がおかしくなっているのはポスト小泉の人達が皆して改革をストップし先祖返りしてしまっているからだ、と考えています。(竹中氏の考えと同じです。)


果たして、この「改革」とやらは「努力すれば何でも叶う。叶わないのは努力が足りないせいだ」の「努力」と何が違うのかサッパリ判りません。
それに、日本よりもよほど「規制緩和」(≒改革)が進んでいた韓国、それが違うというならアイスランドアイルランド、イギリスやアメリカ、「改革」の手本、とされた国々、が日本より経済的苦境なのはなぜ?とか疑問は尽きません。


しかしながら、私は不況脱出の解を見出すべく歴史関係書籍を紐解くにつれて、「なるほど、規制緩和は必要だ!」と考えるようになりました。
ありがとう!竹中平蔵!!素晴らしい!!小泉純一郎


さて、私は日本中世の社会に強く興味を抱いております。とりわけ網野善彦氏の一連の著作を読み漁っているのですが、その中に気になる言葉がありました。
それは、「有徳(うとく)」または「有徳人(うとくにん)」という言葉です。ちょっと見れば、「徳の有る人」を意味する、と見当がつくのですが、有徳の意味はそれに留まりません。実は、有徳は「金持ち、富豪」をも意味する言葉なのです。


うとく−じん 【有徳人】 (Yahoo!辞書)
http://tinyurl.com/cxrmfm

富裕な人。金持ち。分限者(ぶげんしゃ)。うとくにん。


ちょっとガックリしますよね。“金持ちは徳のある人だ”なんて。富で人を推し量るとはつまらない話だな、と考えてしまいます。
類する言葉で「大人」(うし、と読みます)という言葉もあります。これも金持ちをも指す言葉です。


うし 【大人】 (Yahoo!辞書)
http://tinyurl.com/daa4q3

[1] 貴人・富者などを敬っていう語。


金はやはり強いんですね。浜田省吾にでもなった気分です。
しかし、さらに読み進んでいくとちょっと雰囲気が変わってきます。
日本史でも学びますよね。「徳政令」。歴史の教科書などだと徳政令の連発が鎌倉幕府を崩壊に追い込んだ、みたいな話が登場しますけど、中世民衆にとって強欲な輩を集団で訴えたり、脅したり、場合によっては襲ったりすることは珍しくなく、当然のように行われていたらしいのです。それは、強欲による被害者の当然の権利だ、という意識があった。このへんは、もともとの「利子、利息」というものの成り立ちや商取引の非日常性(縁・無縁)とも関係があったようですが、自然なありようとしての利を超えて利益を貪るような輩を罰する事に関しては暗黙の了解があった、という事らしいのですね。


つまり、このような社会においては、他者の生活、事によっては生存を脅かすような強欲ぶりを発揮する事は難しい。では、富んでいる者はどうすればいいか?
一つの解は、護衛を雇ったり、家屋敷の防備を固める事です。多くの者がそうしたでしょうけれども、しかしそれは完璧ではなく常に襲撃や敵意を警戒しなければならない。しかも、警備に雇ったものにイニシアチブを取られる事になります。ゲルマン人傭兵を雇って母屋を奪われた西ローマ帝国みたいなものです。下手をすれば雇った者達に身ぐるみ剥がれるどころか、殺される可能性だってある。


もう一つの解が、「利益を周囲に還元し、強欲さを控える」 です。自らの才によって得られた富を惜しみなく周囲に配る。昔から裕福な者は、より社会への貢献を暗黙の内に求められ、それに応える、という構図が成り立っていました。例えば、自分の住む志太地域にはそこここに○○新田、という地名があります。志太地域全体が大井川の作り出す扇状地だったため、葦の生い茂る湿地帯だったのですが、それを開墾し、新たな田畑、集落が築かれたわけです。そうした新田開発は多くの富者が率先して出資し、ゆえに率いた彼らの名が新田に付けられたわけです。
こうした「富者の努め」は日本ばかりではなく、世界的に見られる事です。アラブ世界では富者が施しをするのは義務とされ、よって富者の施しを受ける乞食さえ正式な職業として認められています。中世ヨーロッパでも富んだ者が施しや教会への寄付をする事は当然の事とされ、今でも貴人の努めを指す言葉として「ノブレス・オブリージュ」があります。
富を得たものは、その富を最も効果的な形で社会に貢献しなければならない。その気前の良さこそが、自らの身を守るわけですね。
富を分け与えるのはカッコ付けもあるでしょうが、身を守る、という実利的な効果があったわけです。
そう考えると、「有徳人」「大人」の意味も変わってきます。富を持つから「有徳」なのではありません。富を持ち続けるには、「徳がなければならない」のです。徳の無いものは「淘汰」される。残っていく富者は「徳の有る」者、度量の大きい者、なのです。
見事に「社会進化論」にも従っています。


こうして先例を見ていけば、どのような「規制緩和」が必要なのか判ります。
「犯罪の規制」です。
金持ちは殺して、その富を奪っても構わない、そのように「規制」を「緩和」してしまいましょう。
富を得る事は一つの才能といえます。そして、その富を社会に惜しみなく還元し、貢献してくれるような人々は皆から愛されるに違いありません。そのような富者はいわば「金づる」ですから皆から守ってもらえるでしょう。その人も社会に貢献する事で身を守る事が出来る。強欲を発揮し、アンフェアな真似をやらかすような輩は「淘汰」されます。


確かに竹中平蔵氏らの云うとおりです。今の世の中は「規制緩和」が「中途半端」だった。「私有財産の不可侵」などという「既得権益」による「規制」を「緩和」することで、皆がハッピーになれる。
なんとなしに竹中氏の言葉に従えば、竹中氏や小泉氏、宮内氏や奥谷氏などはぶち殺されてしまいそうですが、気にする必要はありません。なにせ氏らは「抵抗勢力」と死闘を続けてきたのですから、それさえも受け入れる覚悟があるのでしょう。


Eat the Rich (Aerosmith)


Wake up kid
Its half past you think
Nothings really changing but the date
You a grand slammer but you no Babe Ruth
You gotta learn how to relate
You'll be swinging for the pearly gates
Ohh I got all answers, lo and behold
You got the right key baby but the wrong key hole, yo


Well I woke up this morning
On the wrong side of the bed
And how I got to thinkin'
About all the things you said
About ordinary people
And how they make you sick
And if callin' names kicks back on you
Then I hope this does the trick


'Cause I'm sick of your complainin'
About how many bills
And I'm sick of all your bitchin'
'Bout your poodles and your pills
And I just can't see no humor
About your way of life
And I think I can do more for you
With this here fork and knife


(Chorus)
Eat The Rich
There's only one thing that they are good for
Eat The Rich
Take one bite now - come back for more
Eat The Rich
I gotta get this off my chest
Eat The Rich
Take one bite now - spit out the rest


So I called up my head shrinker
And I told him what I'd done
He said you best go on a diet
Yeah, I hope you have some fun
And a don't go burst the bubble
On rich folks who get rude
'Cause you won't get in no trouble
When you eats that kinda food


Now they're smokin' up their junk bonds
And then they go get stiff
And they're dancin' in the yacht club
With Muff and uncle Biff
But there's one good thing that happens
When you toss your pearls to swine
Their attitudes may taste like shit
But go real good with wine


Chorus


Believe in all the good things
That money just can't buy
Then you won't get no bellyache
From eatin' humble pie
I believe in rags to riches
Your inheritance won't last
So take your Gray poupon my friend
And shove it up your ass


Chorus


Eat The Rich
There's only one thing that they are good for
Eat The Rich
Take one bite now - come back for more
Eat The Rich
Don't stop me now, I'm goin' crazy
Eat The Rich
That's my idea of a good time baby

via:http://tube365.net/lang-ja/init_char-1/artist_id-141/track_id-4615