シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

どくとるランボウ後悔記 その1

ども、シートンです。ご無沙汰しておりました。皆既日食を見に中国は上海に出掛けてきました。そのレポートです。


さて、今回の上海旅行、もともとは日本国内でということでトカラ列島の悪石島へ行こう、と思ってたのですが、ご存じの通り島の受け入れ能力の関係上ツアーはすぐに一杯。国内では他に見れそうなところが乏しい、ということで、調べたところ上海近郊に日食を見に行くツアーが結構出来ている、という話。これは、中国旅行を兼ねて出掛けてみるか、という事に相成りました。
しかし、海外ツアーなどというものは初めてなうえに性に合わなかったのですが、多くの日食観測者が押し寄せるこの時期にホテルの手配から交通手段の確保まで自力は手間が掛かりすぎる。これも経験だとツアーの一つに決めて参加致しました。集合場所は中部国際空港セントレア
セントレアに着いたのは集合指定時間よりだいぶ前。セントレアに行くなら風呂に入って、散策もして、と考えていたのでちょっと早めにしたのです。ちなみにセントレアにある銭湯「風(フー)の湯」に入ります。料金は1000円なり。いささか高いですな。露天風呂はありませんが、飛行機の離陸を見ながら風呂に浸かる事が出来ます。あとは、サウナとかも平凡かなぁ。


展望風呂「風(フー)の湯」中部国際空港セントレア
http://www.centrair.jp/restaurant/shop-list/098/index.asp


風呂に浸かればお約束はビール。展望デッキ脇のクイーン・アリス・アクアでフリーガークエルという銘柄のビールを頂きます。650円なり。幾ら旅行気分で気が大きくなっているとはいえ、ボラれ放題です。ダメ人間のダメ人間たる所以ですな。ちなみに、「クイーン・アリス」は展望デッキの先に特別扱いの「アリス・ダイニング」も店を出しています。誰が食べるんだ?

それにしても、空港内、えらく混み合ってます。どっか腰を落ち着けて集合時間を待とうかと思っている時に「センタービアガーデン」の文字が目に。
「なんだ。ビアガーデンがあるのか。昼間は判らないけど、一応行ってみるか。」
と案内に従って階下に降ります。案内によれば、この先にあるらしい。
しかし、歩いても歩いてもへだらなトヨタの展示と無駄に広々とした空間が拡がるだけ。歩き続けると壁に突き当たります。
そこにはセントレア運営会社の心の叫びが!

…結局、どこに“ビアガーデン”があるんだ?と疑問に思いつつ場所を確かめようと案内板を見返します。すると、「ビアガーデン(beer garden)」ではなく、「ピアガーデン(pier garden)」でございました。とんだ勘違い。しかし、何だってこんなスペースの無駄を放っておくんだ?トヨタらしくないなぁ。ひょっとして、出店者が少なかったからか?


ちなみにトヨタの威光は素晴らしく、至る処にトヨタの証が。写真はトヨタのi-Real。歩いて回り込んで写真を撮りました。自転車で充分じゃん。

さて、ツアーに集合すると飛行機へ。2時間強で上海は浦東国際空港へ。でかいです。とにかくでかいです。写真撮りましたが、全体がまったく収まり切りません。飛行機もドカスカ駐まっています。この間静岡空港を見てきましたが、あれと同じ「空港」と呼ぶのが躊躇われるほどのでかさです。しかも、やたらでかいターミナルが2つあるのです。ちなみに市街と結ぶ上海トランスラピッド(磁浮とありました)には乗りません。出迎えのバスで市街へ移動します。何本かリニアを見ましたが、とても速すぎて写真には収まりません。


高速道路は車線が時には片側6本の広いものですが、それでも渋滞は慢性的にひどいらしい。市中心街まで1時間では効かないとのこと。高速道路の両側には亜熱帯性の植物が生い茂る光景と、ピカピカの高層団地が入れ替わり現れます。なんか韓国で見たような光景だなぁ。ちなみにETCもありました。


市の中心に近づくと古い町並みが見えることがあります。低中層集合住宅と緑の組み合わせがとても風情がありますが、それ以上にそれらが壊されて再開発されている光景の方が多い。跡地は無機質な高層集合住宅へと姿を変えています。高速の両側には自転車・バイク専用道(歩道とも分離されている)があり、日本の道路よりは考えられていますね。しかし、路面状況はいいとはいえない。


さらに進むと巨大な開発現場とパビリオンが。来年の上海万博建設現場です。開催予定地は黄浦江の右岸、上海の発展現場のすぐ脇です。さすがに開発独裁国家。やることがえげつないですね。どれほどの人々が立ち退かされたか。同じ事は橋を越えた黄浦江左岸、旧市街地の側にも云えます。
写真は古い住宅地を潰し、新しいオフィスビルかマンションを建てようとしているところです。




上海の再開発は日本のバブル期やここ数年の東京台場や汐留の光景を思い起こさせます。どうして、独裁的な連中って、こういうデカもの開発が好きなんだろうか。それでも旧市街にはまだ古き町並みも残っています。
残念ながら写真はバスからの眺めで夜だったために写りませんでした。
古い町では道が細いため車は窮屈そうです。代わりに人や自転車、バイクがひっきりなしに往来。道端には露店が並び、路地に足を留めて夕涼みがてらに歓談する人々の姿もあります。なによりも緑が濃い。街路樹の他に至る処に鉢植えなどがあります。再開発地域の無機質さとよそよそしさが世界中同じなら、「下町」の居心地良さも共通するところがあるんですね。


さて、ホテル到着の後、夕食に出掛けます。また、これがやたら豪勢なレストラン(飯店*1)。普段の旅行でこんなところ入ったこと無いなぁ。レストランでテーブルに着くとビールを頼みます。はるばる海越えて来たんです。上海。ビールでお祝いせねば。しかし、店員のぶっきらぼうな言葉に驚きます。「ビールは20元ね。」20元は約300円。ちょっと高くはありませんか?明らかに足下見られているな、と感じつつもビールを頼みます。
…昔あったビールの銘柄が無い!あったのは青島ビール。そりゃ、高いわけだ。あれは、輸入ビールの店でも結構するからね。しかし、薄い…。後味スッキリとは云うものの、あまりに薄くてビール飲んだ気がしない。
ビールと共に出てきた料理。次から次へと運ばれてきて、小さなテーブルに目一杯。そんなに喰いきれないぜ。しかも、味つけが微妙。肉ものが多くて、野菜ものが少ない。正直、自分にはツラ過ぎる。かといって、食べ物を残すのはイヤだし。同じテーブルの客達も閉口する中、締めのスイカが運ばれてきた。これで終い、ってことなのだが、テーブルにはまだまだ料理が残っている。スイカは中国の夏を乗り切るのに欠かせないもの、とのこと。天然のスポーツ飲料なんだね。
テーブルに盛大な食べ残しを置いて席を立つ。どうにも気に入らないなぁ。


ホテルへ戻ると、少しだけ深夜の散策。コンビニも出来たのな、上海。ローソンが多かったよ。店にはいると何とオデンが!ガイドさんに尋ねると、やはり中国でも「オデン」と呼んでいるそう。日本から伝わったものなんだろうけど、日本、韓国、中国で共通する呼び名の食べ物ってのは面白いやね。あと、ヨーグルトがたくさんの種類。ヤクルトもあった。ビールは日本のビール会社の銘柄とバドワイザーが置いてある。中国独自のものはあまり無いようだ。帰って買ったビールを飲んだが、薄くてあまり美味しくない。度数は3.5°。そりゃ、水だぜ。どうやら中国ではビールが期待出来ないようだ。そういえば、韓国もビールはダメ、と云ってたなぁ。しかし、韓国にはビール以上に美味しくて安いチャミスルとマッコリがあったが、こちらのパイチュ(白酒*2)は意外に高い。とても買って飲む気にならない。くそ。
飲み終わると移動疲れかサッサと寝てしまいました。
(続く)

*1:「飯店」はホテルの意味として中国では扱いますが、同時にレストランを指してもいます

*2:蒸留酒の事。白とは透き通った、の意