疑問 - シートン俗物記

足利事件の再審公判で菅家利和さんに対する「推定有罪」がどう「事実を明らかにする場」を歪めていったのか、が問われている真っ最中にもかかわらず、小沢民主党幹事長に対して「有罪」が前提となっているのはなぜなのか？

「何で僕の目を見て言わないの」菅家さん取り調べテープ（asahi.com）
http://www.asahi.com/national/update/0122/TKY201001220210.html

栃木県足利市で１９９０年に当時４歳の女児が殺害された「足利事件」の再審第５回公判が２２日、宇都宮地裁（佐藤正信裁判長）であり、午前中は菅家利和さん（６３）に対する当時の取り調べの録音テープが再生された。テープの主な内容は次の通り。
　【１９９２年１２月８日分】
　森川大司検事「今、起訴している（足利）事件ね。あれは君がやったことに間違いないんじゃないのかな」
　菅家利和さん「違います」
　検事「ええ？」
　菅家さん「……違います」
（中略）
　菅家さん「自分にはよくわかんないんですけれど、なに鑑定って言いましたっけ？」
　検事「ＤＮＡ鑑定」
　菅家さん「そんなこと聞いたんですけど、でも自分じゃそれ全然覚えないんですよ」
　検事「だけど、ＤＮＡ鑑定で、君とね、君の精液と一致する精液があるんだよ？」
　菅家さん「全然それ、わかんないんですよ。本当に」

東京地検、石川議員ら逮捕　大久保秘書にも逮捕状
http://www.asahi.com/national/update/0115/TKY201001150431.html

石川議員は昨年末以降の聴取に４億円の不記載は認めたが、原資については「小沢氏の個人資産」と述べ、資金を分散入金した理由も明らかにしなかった。だが、特捜部は、石川議員が「胆沢（いさわ）ダム」（岩手県奥州市）工事の受注に絡んで中堅ゼネコン「水谷建設」（三重県）から裏金５千万円を受領し、４億円の一部に充てた疑いが強いとみている。

　関係者によると、の検事「今、捜査している（西松）事件ね。あれは君がやったことに間違いないんじゃないのかな」
　石川知裕さん「違います」
　検事「ええ？」
　石川知裕さん「……違います」
（中略）
　石川知裕さん「自分にはよくわかんないんですけれど、なに証言って言いましたっけ？」
　検事「ゼネコンの証言」
　石川知裕さん「そんなこと聞いたんですけど、でも自分じゃそれ全然覚えないんですよ」
　検事「だけど、ゼネコンの証言で、君の扱ったお金と一致する裏献金があるんだよ？」
　石川知裕さん「全然それ、わかんないんですよ。本当に」

こうなる可能性を考えないといけないだろ？マスコミ関係者様。

自分たちで調査して突き付けるならともかく、検察リークを垂れ流して、「推定有罪」に誘導するのは恥ずべき事だ、と菅家さんの受けた人権侵害から反省しないのは拙いと思うぜ？

朝日新聞の22日朝刊で社会エディター梅田正行氏が、“多角的に取材し吟味”と題して

「当局のリークで書いている記事もあるのかい？」
事件取材に携わっていると、そんな質問を受けることがあるが、いつも自信を持って「ありません」と答えてきた。今回も答えは同じだ。（以下、略）

と、臆面もなく書いているけど、新聞を複数読めば、記事が似通っているというか表現を除けば一致した内容が多い事が見て取れる。各新聞社の記者が「多角的に取材し吟味」した内容が、“関係者によると”で一致してしまう、なんて事が起こるわけ？

いい加減、検察の恣意的な捜査や世論誘導的なリークに荷担するのは拙い事に気づきなよ。
小沢氏に冷遇されている枝野氏でさえこう云っている。

「政治家にも人権ある」枝野氏が小沢氏擁護、検察を批判
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/344466/

民主党の枝野幸男衆院議員は１０日の民放番組で、小沢一郎幹事長の政治資金管理団体の土地取得をめぐる疑惑について「捜査途中の供述が起訴、公判の前に報道されるのはおかしい。検察官には守秘義務がありリークだとしたら国家公務員法違反だ」と検察当局を批判。「政治家も人権はある。刑事事件の推定無罪もある。自らを防御する権利は認められないといけない」と小沢氏を擁護した。
　また、枝野氏は「（違法かどうかの）法律的な話と、（国民に）説明を尽くした方がいい話を仕分ける環境ができないといけない。私が小沢さんの弁護士なら現段階で説明しろと言われても困る」と述べ、自民党が求めている小沢氏らの証人喚問に応じる必要はないとの認識を示した。
　枝野氏は弁護士出身で小沢氏と距離を置く議員の代表格とされてきたが、近く首相補佐官に就任することが内定している。

安田弁護士もこの問題を人権問題として捉えている。

石川議員の弁護士、取り調べの可視化申し入れ
http://www.asahi.com/national/update/0117/TKY201001170176.html

小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体の土地取引をめぐる事件で、逮捕された衆院議員石川知裕（ともひろ）容疑者（３６）の弁護人となった安田好弘弁護士らが１７日、取り調べの全過程の録音・録画（可視化）などを求める申入書を、千葉景子法相や樋渡利秋検事総長らに提出した。
　取り調べは１日４時間以内▽少なくとも週２日休む▽黙秘権の尊重▽調書作成に際して弁護人と事前相談する機会を与える――なども求めた。
　安田弁護士は、オウム真理教元代表・松本智津夫死刑囚（５４）の主任弁護人を務めたほか、山口県光市母子殺害事件、和歌山カレー事件でも被告の弁護人を務めた。