ネット犯罪が問題ではない
今、クローズアップ現代を見たばかりなのだが、内容にゲンナリとした。
パソコン遠隔操作〜誤認逮捕はなぜ起こった?
http://www.nhk.or.jp/gendai-blog/135461.html
きょう(10/23)のクロ現は、「仕組まれた罠(わな)〜PC遠隔操作の闇〜」です。
遠隔操作ウィルスに感染したパソコンから犯行予告が書き込まれた、
パソコン遠隔操作事件は、異例の展開を見せています。
逮捕され保護観察処分を受けていた19歳の大学生について、
きょう横浜地方検察庁は、事件とは無関係だったとして処分の取り消しを求めました。犯人が遠隔操作などで仕掛けたとしている犯行予告の書き込みは、
6月から9月にかけて、少なくとも13件に上り、こうした書き込みを行ったとして
4人が逮捕されました。
警察は、犯人がしかけた遠隔操作ウイルスに気付かず
インターネット上の住所とされる「IPアドレス」を主な根拠として、
容疑を否認していた人たちまで誤認逮捕したのです。いまや私たちの生活に欠かせないインターネットで起こった新手のネット犯罪。
VTRには、真犯人が送ったとされるメールが紹介されますが、
その中には「遊んでくれてありがとう」などといった言葉が並んでおり、
誤認逮捕が起こることを最初から想定していたようにも思えます。警察の誤認逮捕はなぜ起きたのか?
番組では、三重県で逮捕された男性の証言をもとにみていきます。
一応、警察の誤認逮捕のくだりで、自白の誘導や他の可能性を無視した部分も少しだけ触れられていたが、警察が“新手のネット犯罪”の手口に精通していない、事が問題というスタンスだった。
だが、この事件が問題なのはそんなことではなく、警察が当初の容疑者像を訂正する機会が何度も有りながら、自白を強要したり、証拠を都合良く取捨選択したりして“犯人”を作り出す、点である。今回の事件はその構図が可視化されただけであって、捜査手法自体は過去から連綿と続いてきた事に過ぎず、何度と無く冤罪事件において指摘されてきた事であったのだ。
検察も裁判所もこうした点を本来はチェックを行う役割を課せられているにもかかわらず、警察の捜査を追認する事も問題なのであり、クローズアップ現代はその点をほとんど無視している。
本当の問題は、警察の捜査・取り調べ手法とそれを許容する組織であり、それを精査せずに追認する検察・裁判所の姿勢である。今回の事件の反省が、“新手のネット犯罪への対応能力”程度で終わってしまっては困る。
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