自民党の終焉
結局、グダグダと不況に対して無策なまま年を越す事になった麻生政権だが、先頃地元では衝撃的な出来事が起きた。地方の一選挙に過ぎないので、あまり知られてはいないだろうが、今後の政局を先取る事になると思われるので、ちょいと取り上げる。
出来事というのは、地元志太地域の焼津市長選挙。
民主系・清水氏が当選/焼津市長選
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000000812220008
自民党系と民主党系の、いずれも無所属新顔の前県議同士の一騎打ちとなった焼津市長選は、21日投票、即日開票された。清水泰氏(64)=民主党県連推薦=が八木健次氏(74)=自民党県連推薦=を破り、初当選した。当日有権者は11万5374人。投票率は51・65%(前回は無投票、前々回49・18%)だった
この選挙の何が衝撃的か、というと、焼津市、というのは保守王国静岡県の中でも、さらに保守的な土地柄であるからだ。静岡というのは、気候温暖、人の気質も温和で、経済的にもほどほど、という事もあって極めて保守的である。それに乗っかる形で静岡選出自民党議員、というのは、ちょいとへんなヤツが多い。「産む機械」とか「極右レイシスト」などは典型例。つまり、少々お痛をしても目こぼしされる事もあって、つい本音が漏れるらしい。そんな土地柄もあって、焼津は強固な自民王国であった。地元選出議員としては、建設大臣まで務めた原田昇左右氏が君臨し、世襲によって原田令嗣氏が衆議院議員の座にある。
そんなところで2000票差とはいえ、自民・公明が推した候補が、民主党候補に敗れたのだ。地元では衝撃的な事態、と受け止められている。破れた八木陣営は、選挙活動期間が短かった、事を敗因に挙げているが、もともと市長の戸本氏が今期で勇退、後継候補指名をしない段階では手を挙げたのは民主候補の清水氏の方だった。地方では自民・民主・公明・社民相乗り、が珍しくないわけで、今回もそうなるのか、と思ったところを国政を反映して独自候補を立てたのは自民党の方だった。しかも、支援した市議の数は清水氏が2名、八木氏が21名。原田衆議院議員まで応援している。
結果、返り討ちにあったわけで、自民党関係者の見込み違い、ということだ。
しかも、前回投票に比べて投票率は2ポイントどまりしか上がっていない、事を考えると、投票層は大きく変わっていない。つまり、無党派層が支持して清水氏が当選したのではなく、従来、自民党に投票していた人たちが多く清水氏に投票している事を示している。
焼津のような保守的な土地柄、朝日新聞曰く“自民党の「金城湯池」”で自民党組織が崩壊しているのだ。
おそらく、全国でこのような状況は頻出しているに違いない。なるほど、自民党が選挙に打って出られない訳である。ただ、イタズラに引き延ばしても自民党に勝ち目はない。自民党の終焉が近づいている。