シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

自滅する地方 静岡編 その5

どこにおいても自治体当局者は、商店街の(再)活性化として、道路拡幅を打ち出します。古くからの商店は奥行きの深い町屋づくりが多いですから、新築しようとすれば今までのようなファサードを維持することが難しくなります。結果、櫛の歯が抜けるように空洞化したりするのですが、その時間経過が見られる場所があります。静岡市の北街道です。

これは、水落交番を過ぎたあたり、人車分離のための歩道設置はされていますが、道幅は広くなく、アーケードも旧来のものです。あまり、賑わっているとは言い難いですね。もちろん、古い味のある店舗は多いので

自転車や徒歩の通行者はそこそこ見掛けます。

ここは、北街道を拡幅した地域。銭座町と呼ばれる地域です。立ち退きや立て替えが進んだため、自動車の交通量は増えました。しかし、商店街としての魅力は無く、店舗もどんどん減っていってます。徒歩の往来はほとんどありません。

さらに先(東)に進むと北街道の新道に出ます。道幅は広く、そして「くら寿司」が出店するロードサイド。ほんの数年前は

田んぼだったのです。

さらに進めば、さらなるロードショップが軒を並べます。その周辺は


のような田園地帯。このようなところを潰してロードショップが進出しました。
道を通した結果、農地を維持する事が出来ず分譲地とロードショップに姿を変えたのです。道路事情が良くなってますから、この通りにそってストロー効果が起こり、中心市街から人を郊外ロードショップへ引き出してしまいます。
行政の請け合ったのと、逆の結果が起こるのです。
ですが、大概の場合、行政は商店街の「自己責任」「努力不足」に責任を押しつけ、イベントの類を実施させたりします。根本が判ってないんですね。


この北街道と交差して、静岡中央卸売市場から駅南へと続く街道が「流通通り」です。流通通りは、静岡でも有数の「ファスト風土」です。


写真は歩道橋から通りを撮したもの。ロードショップだらけですね。

一歩裏に入ると、昔のスーパー跡があります。

こうした郊外化による衰退に対して、中心市街地再活性化事業、というのが行われます。しかしながら、その方向性は明らかに間違っています。次回は、中心市街地再活性化事業の外し具合について述べていきます。