シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

自滅する公務員  自滅する地方都市シリーズ第6弾 予告

このエントリーは

・道路を広げてはいけない 自滅する地方都市

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20070626/1182849631

・自滅する地方都市4 街づくり像

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20070403/1175588517

・自滅する地方都市3 トゥモロー・ワールド

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20070330/1175232370

・自滅する地方都市2 理想の街とは?

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20070329/1175137504

・自滅する地方都市

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20070328/1175070164

の続きです。近日エントリー予定。


さわりだけ。

ようやく、政府レベルでコンパクトシティーが地方の進むべき方向に盛り込まれるようになった。

街をコンパクトに 地方再生策の柱 政府戦略

政府は23日、11月にまとめる地方再生への総合的な戦略の柱として、中心市街地に住宅や公共施設を集中させて空洞化を防ぐ都市計画「コンパクトシティー」の普及を盛り込む方針を固めた。少子高齢化に対応した地方都市での町づくりの先例として、全国に広げる。総合戦略は今月初めに発足した首相直轄の地域活性化統合本部の主導で検討が進められている。

 総合戦略は首相が掲げる「自立と共生」という理念に基づき、支援の対象を(1)都市地域(2)農山漁村(3)過疎化が深刻な「限界集落」を含む中山間地域――という三つに類型化。財政規律は原則守りつつ、効果的な施策には補助金など財政支援をする。

 コンパクトシティーの普及は、都市地域再生の目玉施策に位置づける。政府が出資して来年発足する「地域力再生機構」による中小企業の立て直しや、外国や国内からの観光客誘致などとも組み合わせる。

 農山漁村の復興策としては、地方大学の医学部の定員増などによる医師不足の緩和、公共事業を支えた建設業者の農林水産業への参入や地元産品の都市部への販売の促進などを進める。

 財政的に最も厳しい状況に置かれている中山間地域については、高齢者を病院などに運ぶ福祉バスの整備や、人口減や高齢化でおろそかになりがちな冠婚葬祭や田畑の管理を集落で担う試みを支援する。

http://www.asahi.com/politics/update/1023/TKY200710230407.html


と思ったら、道路特定財源に関してこんな話が。

国費投入35兆円超 道路財源「使い切り」10年計画案

国土交通省は13日、08年度から10年間の道路整備中期計画の素案を発表した。道路整備に必要な国費は道路関連事業(3兆円)を含め35兆5000億円で、道路整備に使い道が限られる道路特定財源の収入31兆〜34兆円(国交省試算)を使い切る計算。これまで通り道路建設を推し進め、高速道路など高規格幹線道路の未着工区間もすべて造るとした。政府が一般財源とする方針の道路特定財源の「余剰分」を生じさせない内容になっている。

 政府は昨年末、道路特定財源のうち「真に必要な道路整備」の歳出を上回る余剰分を、社会保障費などにも使える一般財源にする方針を決めた。中期計画は、この「真に必要な道路」の事業量を示すもので、国費を充てる国道や高速道路、地方道などが対象だ。

 素案では道路特定財源を使い切ることになるため、国交省は、揮発油税ガソリン税)など道路特定財源の税率を本来の約2倍に上乗せした税率(暫定税率)を来春の期限切れ後も維持する必要があるとし、08年度以降10年間延長するよう求めた。

 素案では、地方自治体の負担などを含めた事業費として「地域の自立と活力の強化」(33兆円)や「国際競争力の確保」(24兆円)など道路整備に65兆円を計上。高速道路料金値下げなど道路関連事業3兆円以上を含め、計68兆円の事業費を見込む。政府は年内に中期計画を閣議決定する。「渋滞損失時間を3割削減」「踏切遮断による損失時間を3割削減」「道路橋の寿命を100年以上に」などの数値目標も盛った。

http://www.asahi.com/politics/update/1113/TKY200711130461.html


まあ、あちこちで批判されてはいるが、道路特定財源枠の死守と権限確保がミエミエ。が、それ以上に、「道路を造る、拡げる、伸ばす」がまだまだ続いて、それに100兆以上も掛けよう*1、というのにゲンナリ
自分のエントリーで説明したが、「道路を造る、拡げる、伸ばす」と「コンパクトシティー」は相反する。異なる目標を並立してしまったらバカだろうに。どちらを選ぶんだ。
しかも、

政府税調、消費増税提言へ「社会保障維持に不可欠」
政府税制調査会は2日、社会保障制度を維持するには、消費税の税率引き上げが必要になるとの意見で一致した。今月末ごろまとめる税制改正の答申に税率引き上げの提言を盛り込む見通し。消費増税の提言となるのは04年11月の答申以来3年ぶり。今後の消費税論議に影響を与えそうだ。

 社会保障費をめぐっては、基礎年金の国庫負担を09年度までに現在の3分の1から2分の1に引き上げることが決まっているほか、将来も医療費のさらなる増大などが見込まれており、財源の確保が課題になっている。

 政府税調は政府・与党が掲げる「税体系の抜本的改革」の一環で、9月から主な税目の検討を開始。この日の会合では、進行役の吉川洋・東大教授が、少子高齢化で今後も社会保障給付の増大が見込まれていることや、全体の給付が負担を上回っている状況などを説明。「社会保障を持続可能にするには、消費税を上げざるを得ないのではないか」と提起。出席者の大勢の賛同を得た。

http://www.asahi.com/politics/update/1102/TKY200711020391.html

道路特定財源一般財源化すれば、消費税率を上げなくても*2社会保障費の増大分に対応できるのだ。どちらがいいかね?みなさん。


このへん、施策を巡って、全力で自滅しようとする公務員について次回述べようと思う。では。

*1:国交省の予算は補助金などの形が多いから、実際に都道府県市町村レベルで投入される額はほぼ倍になる

*2:それどころか、全廃さえ可能